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読書の心得 下巻
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収録内容
読書には三つの目的がある。
第一は「知識を学ぶ読書」。
第二は「智恵を掴む読書」。
第三は「心の糧を得る読書」。
では、それぞれに応じた
「三つの読書法」とは何か。
ー上巻ー
第 1回 読書には、三つの目的がある
第 2回 深い問いを抱きながら読む
第 3回 物語を考えながら読む
第 4回 気になる言葉を心に残しながら読む
第 5回 未来を想像しながら読む
第 6回 知識と智恵を区別しながら読む
第 7回 自身の体験と重ね合わせながら読む
第 8回 智恵とは、体験を通じてしか掴めない
ー下巻ー
第 9回 なぜか気になる言葉を、心に残しながら読む
第10回 謙虚な心の姿勢で本を読む
第11回 感得を心がけて本を読む
第12回 経験の浅い人が智恵を掴むための心得
第13回 著者の魂と格闘しながら読む
第14回 読書とは、著者の魂との邂逅である
第15回 魂が共鳴する言葉との邂逅を求めて読む
(2009年収録)
このシリーズの第1回、
読書には、三つの目的がある
を、下記より試聴いただけます。
第9回 なぜか気になる言葉を、心に残しながら読む
前回、「智恵」とは「体験」を通じてしか掴めないもの、
ということを述べました。
従って、読書において「智恵」を掴むためには、
「自身の体験」と重ね合わせながら読むこと
が大切になります。
なぜなら、読書とは、ある意味で、
自分の中に眠る「智恵」に
気づくための営みだからです。
では、経験の浅い若い人々は、
本を読んでも智恵を掴めないのか。
決してそうではありません。
人生経験が浅くとも、深い智恵を掴むことのできる
読書法があるのです。
その一つの方法は、「なぜか気になる言葉」を
心に残しながら、読書を進めることです。
なぜなら、読書においては、
「未来の記憶」とでも呼ぶべき言葉との
出会いがあるからです。
すなわち、そのときは意味が分からなくとも、
一つの人生を歩んだとき、
その言葉が、自分の人生を導いてくれていたと
感じる言葉があるからです。
そしてまた、一つの人生経験を積んだとき、
その言葉の深い意味が
改めて分かるようになる言葉があるからです。
この第9回では、
そのことについて、話します。
第10回 謙虚な心の姿勢で本を読む
我々は、自身の体験と重ね合わせながら
読書をすることによって、
言葉で表せない智恵を掴むことができます。
では、経験の浅い人間が
読書を通じて智恵を掴むためには、どうすればよいのか。
そのための大切な心得があります。
謙虚な心の姿勢で本を読む
その心得です。
なぜなら、プロフェッショナルの世界には、
怖い格言があるからです。
下段者には、上段者の力が分からない。
この言葉通り、
経験の浅い人間は、
豊かな経験から深い智恵を掴んだ人間の話を読んでも
しばしば、その意味が分からないのです。
そのとき、「謙虚な心の姿勢」を持っていなければ、
その深い智恵の意味が分からないとき、
「当たり前のことを言っている」
「大したことを言っていない」
と思ってしまうことがあるのです。
それが、「若さの傲慢さ」と呼ばれるものです。
しかし、我々がひとたび
「謙虚な心の姿勢」を身につけるならば、
読書というものは、ときに、
著者の智恵を超えたさらに深い智恵を
我々に与えることさえあるのです。
この第10回では、そのことについて、
話をします。
第11回 感得を心がけて本を読む
「智恵を掴む読書」の第4の心得は、
「感得を心がけて本を読む」ことです。
では、「感得」とは、何か。
それは、感動、感嘆、感銘、感服、共感など
心が大きく動く体験を大切にしながら、
何かを学ぶことです。
では、なぜ、この「感得」が大切なのか。
なぜなら、我々が本当に「智恵」を掴んだ瞬間には、
必ず、心が大きく動くからです。
逆に、大切な「智恵の言葉」を聞いたとき
それを、深い「智恵」として掴むことをせず、
単なる「知識」として学んでしまう人がいます。
そうした人に共通の傾向は、
どれほど大切な「智恵の言葉」を聞いても、
決して感得せず、妙に冷静に聞き、
頭で理解しただけで、分かったつもりになる、
という傾向です。
逆に、感得を心がけている人は、
「智恵の言葉」を聞いたとき、それが自身の過去の体験と共鳴し、
心が大きく動き、その智恵を掴んでいきます。
そして、そういう人は、
読書を通じて学んだ「智恵の言葉」を、
自分の心の中で鳴り響く言葉として抱き続け、
その智恵を、さらに深まりあるものにしていきます。
しかし、そのためには、何よりも
この第4の心得に加えて、次の第5の心得が、
大切になるのです。
「行ずる覚悟を持って、読む」
この第11回では、そのことについて、
話をします。
第12回 経験の浅い人が智恵を掴むための心得
読書において「智恵」を掴むためには、
自身の過去の「経験」と重ね合わせながら
本を読むことが大切であると、述べてきました。
では、経験の浅い若い人間は、どうすればよいのか。
まだ、人生において豊かな経験を持っていない人間は、
どうすればよいのか。
その問いが生まれてくるかもしれません。
しかし、実は、経験が豊かでない人でも
読書を通じて、深い智恵を掴むことができるのです。
そのための心得は、三つあります。
第一は、経験が無いことの怖さを知ること。
プロフェッショナルとして成長していくための
最も大切な心得は、「己の限界を知る」ということです。
なぜなら、「自分の限界や弱点を知らない」ということが、
実は、プロフェッショナルの世界では、
最大の限界と弱点になってしまうからです。
これは読書においても、そうです。
自分の経験の浅さに気がつかず、
それが智恵を掴めない大きな理由になっていることに
気がつかなければ、その人は、
いかなる読書によっても、
決して成長していくことはできません。
なぜなら、こうした人は、多くの場合、
大切な智恵の言葉を読んだとき、
単に知識として学んだだけで、
それを分かったつもりになってしまうからです。
第二は、想像力を羽ばたかせながら読み進むこと。
たしかに「経験」が浅いことはハンディではありますが、
そのハンディを補って余りある方法が、
この「想像力」を羽ばたかせながら読み進むということです。
すなわち、読書においては、
自分が直接的に経験の無い話でも、
想像力を羽ばたかせながら読むと、
そこに疑似体験が生まれてくることがあります。
そして、智恵とは、ときに、
その疑似体験から掴むこともできるのです。
第三は、なぜか気になる言葉を大切にする
プロフェッショナルが持つべき最高の力とは
「無意識の世界」を活用する力です。
では、どうすれば、無意識の世界を活用することができるのか。
読書において巡り会った
「なぜか気になる言葉」を大切にすることです。
その言葉は、それからの人生の歩みの中で、
必ず、大切な何かを教えてくれるときがあります。
言葉を換えれば、我々の人生においては、
「未来の記憶」とでも呼ぶべき言葉が、ある。
あたかも、その言葉が、
自身の未来を教えてくれているかのように
感じる言葉があるのです。
読書においては、そうした言葉を大切にすることです。
この第12回では、この三つの心得について、
話をします。
第13回 著者の魂と格闘しながら読む
これまで、 「知識を学ぶ読書」と
「智恵を掴む読書」
について語ってきましたが、
今回からは
「心の糧を得る読書」
について語ります。
「心の糧を得る読書」とは、
ある意味で、読書における最も大切な、
そして、最も高度な心得が求められるものですが、
その心得の要諦は、
かつて文芸評論家の亀井勝一郎が語った
次の一言に要約されます。
読書とは、著者の魂との邂逅である
まさに、この言葉が示すごとく、
読書の最も深い醍醐味は、
単に「優れた言葉」と巡り会うことではなく、
人生を賭して何かを語ろうとする
その「著者の魂」と巡り会うことです。
しかし、そうした「魂との邂逅」を得るためには、
読者に求められる「心の姿勢」と
「深い覚悟」があります。
なぜなら、「著者の魂」と巡り会うためには、何よりも、
まず、「著者のメッセージ」に正対することが求められるからです。
そして、「著者の魂」との邂逅とは、
究極、「自分の魂」との邂逅に他ならないからです。
そのためには、我々に、
自分自身の「魂の在り方」を見つめる覚悟が求められます。
この第13回では、
その「心の姿勢」と「深い覚悟」について、
話をします。
第14回 読書とは、著者の魂との邂逅である
前回、「心の糧を得る読書」において
大切な第一の心得は、
「著者の魂と格闘しながら読む」
ことであると述べました。
その理由は、亀井勝一郎の言葉を借りれば、
「読書とは、著者の魂との邂逅である」
からに他なりません。
そして、読書というものが
一人の著者の魂との出会いであるかぎり、
その出会いから何かを学び、掴むには、
読者もまた、その魂で正対することが求められます。
その正対をせず、
評論家的視点や情報探索的視点で読書をするかぎり
我々は、決して、
著者の魂のメッセージを聴くことはできません。
逆に、魂で正対し、著者の魂の声に耳を傾ける
という姿勢で読書をするならば、
我々は、人類数千年の歴史の中で、
この地上に生まれ、去っていった
古今東西の素晴らしい人々と、巡り会えるのです。
そして、
一人の人間が、この地上に生を享け、
一瞬の人生を、精一杯に生き、駆け抜けた
その魂のメッセージと、巡り会うことができるのです。
そして、
そのような読書を通じて巡り会った
著者の魂のメッセージは、
それからの人生において
素晴らしい光を放つ瞬間が、あるのです。
この第14回では、そのことについて、
話をします。
第15回 魂が共鳴する言葉との邂逅を求めて読む
この最終回においては、
「魂が共鳴する言葉との邂逅を求めて読む」
をテーマとして話します。
「心の糧を得る読書」の第一の心得は、
「著者の魂と格闘しながら読む」
ことであると述べてきました。
なぜなら、読書の真髄とは、
単に情報や知識を得ることではなく、
時間と空間を超えて、
一人の著者と巡り会う体験だからです。
そして、その著者の魂と格闘する体験だからです。
しかし、その著者の魂と格闘するためには、
一つ、我々に求められることがあります。
「自身の原体験を見つめながら読む」
そのことです。
なぜなら、一人の著者が、自身の原体験を背負い
魂を込めて語る言葉と正対するためには、
我々もまた、自身の原体験を見つめ、
それを背負って読書をすることが求められるからです。
では、人生の経験の浅い、年齢の若い人間は、
著者の魂と格闘することはできないのか?
そうではありません。
人生の経験の浅い人間が
それでも著者の魂と格闘をする方法があります。
「感性を研ぎ澄まし、想像力を羽ばたかせて読む」
その方法です。
そして、そうした姿勢で本を読むならば、
我々は、必ず、心の奥深くに届く言葉、
魂が共鳴する言葉に巡り会います。
そして、ときに、その魂の共鳴する言葉が、
自分の人生を導いてくれることがあります。
読書を通じて巡り会った、一人の著者。
その著者が、自身の原体験を背負い、
魂を込めて語る言葉と正対し、耳を傾ける。
そのとき、我々は、読書というものの
最も素晴らしい世界に歩み至ることができるのでしょう。
それゆえ、「心の糧を得る読書」の最後の心得は、
「魂が共鳴する言葉との邂逅を求めて読む」
その心得を述べて、今回の「読書の心得」のシリーズの
締め括りとさせていただきます。
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