大切な職業病
異業種提携による新事業開発。
永年、その仕事に取り組んできたため、
身についてしまった職業病があります。
朝、新聞を読んでいて、
企業と企業の提携の記事が目に止まる。
二つの社が共同して、
新たな事業の開発に取り組む。
そうした記事を読むとき、
会ったこともない人物、
決して会うこともない
二人の人物のことを
ふと、心に思い描いてしまうのです。
企業と企業が結びつくとき、
その陰には、かならず、
人と人との出会いがある。
一人の人間と、一人の人間が、
仕事を通じて巡り会い、不思議な縁を得る。
ときに、会社の会議室で、熱い議論を交わし、
ときに、夜の街の片隅で、夢中で語り合い、
共感を抱き、思いを共にする。
そして、同志となる。
その二人の同志は、
新たな事業のビジョンを描き、
戦略を立て、計画を練り、
互いに、粘り強く、
上司を動かし、組織を動かし、
その提携と事業を実現していく。
日々の新聞の記事の陰にある、
そうした、人間の物語。
その物語に、
ふと、思いを馳せてしまう
職業病。
それは、
ビジネスの世界を歩むかぎり、
いつまでも大切にするべき
病なのかもしれません。
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