もう一つの「現実」
2000年の映画『花様年華』で
カンヌ国際映画祭の主演男優賞を獲得し、
『英雄』や『インファナル・アフェア』で
国際的な評価を定めた、俳優のトニー・レオンが、
あるインタビューで、次のように語っています。
私は、演じるのが好きなのです。
映画という虚構の世界で、
演じるのが好きなのです。
しかし、映画の世界は、虚構ですが、
その虚構の世界で生まれる感情は、現実です。
この言葉を聞くとき、我々は、
それが、映画の世界の言葉であることを超え、
人生における、一つの真実を教える言葉であることに
気がつきます。
「現実」には、
「事実」という「現実」だけでなく、
「感情」という「もう一つの現実」がある。
そして、そのことに気がつくとき、
人々が困難に直面して使う一つの言葉が、
まったく別の意味を帯びて、
聞こえてきます。
「現実の壁」
我々が、「現実の壁」に直面するとき、
その「現実」とは、
自身の「感情」や、他者の「感情」という
「もう一つの現実」なのかもしれません。
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