魚の解剖実験
子供の頃、学校の理科実験室で、
魚の解剖実験を行いました。
生きた魚をメスで解剖し、
骨や内臓、神経や血管などを腑分けして、
魚の体の仕組みを、詳しく調べたのです。
しかし、この解剖実験の後、
我々は、ある寂しさを感じました。
鋭利なメスで魚を分割し、分析することによって、
魚についての詳しい「知識」は得られたのですが、
魚そのものの瑞々しい「生命」は失われてしまった。
その寂しさを感じたのです。
そして、そのことを思い出すとき、
我々は、もう一つのメスの存在に、気がつきます。
我々が、日々の仕事において使っている
「論理思考による分析」というメス。
それもまた、
「知識」を得るための、便利な道具であるとともに、
「生命」を見失ってしまう、危うい落し穴なのです。
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