天が与えた本当の才能
『未知との遭遇』や『E.T.』などの作品で知られる
映画界の巨匠、
スティーブン・スピルバーグ監督には、
新しい作品を創る前に、
かならず観る映画があります。
それは、彼が尊敬する
デビッド・リーン監督の作品、
『アラビアのロレンス』です。
1988年、
この『アラビアのロレンス』の完全版が制作されたとき、
その制作に関わったスピルバーグ監督は、
リーン監督とともに、その試写を観ました。
そのとき、リーン監督は、スピルバーグ監督の隣に座り、
一つひとつのシーンについて、
その制作のエピソードを、詳しく話してくれたそうです。
この完全版の解説ビデオにおいて、
スピルバーグ監督は、
リーン監督の一人のファンとして、
そのときの感激と感動を、
実に嬉しそうに話していました。
巨匠と評される立場になっても、
そのことを少しも感じさせないスピルバーグ監督。
彼のその爽やかな笑顔を見ていると、
人々の心に火を灯す映画を創り続ける
この監督の本当の才能が、
何であったのかを知ります。
無邪気さ。
それは、ときに、
天が我々に与える
素晴らしい才能なのかもしれません。
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