運気と覚悟
1998年にフランスで開催された
サッカー・ワールドカップ。
その激烈なアジア地区予選を、
首の皮一枚を残した極限の状況から
奇跡的な勝利によって勝ち抜き、
全日本チームを世界の舞台へと導いた
岡田武史監督。
その岡田監督が、
Jリーグの監督として戦った、ある試合において、
誰の目にも明らかな審判の誤審によって
敗北を喫しました。
試合後、記者からのインタビューで
その誤審について訊かれたとき、
岡田監督は、
感情的になることなく、淡々と、
しかし、覚悟を定めた表情で
こう答えました。
審判も人間であるかぎり、
間違いはあります。
それも含めて、我々は、
勝たなければ駄目なのです。
この岡田監督の言葉を聞くとき、我々は、
人生において語られる
一つの言葉を思い起こします。
運も実力のうち。
そして、岡田監督の姿を見るとき、
この言葉が、
単なる「諦めの言葉」ではないことに
気がつきます。
この言葉を覚悟する人物には、
なぜか、運気が巡ってくる。
そのことに
気がつくのです。
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