生命論の螺旋的発展
現代科学の最先端において、
様々な分野の研究者たちの注目を集める
学際的研究があります。
「複雑系」の研究
創発や進化などの「生命的現象」を扱う
この研究においては、
ある興味深い言葉が語られています。
「カオス」の縁
では、この言葉は、何を教えているのか。
最も生命的な現象は、
「カオス」(混沌)でもなく、
「オーダー」(秩序)でもない、
その中間の、絶妙のバランスの領域で生まれる。
この言葉は、そのことを教えています。
しかし、この科学の最先端の理論を学ぶとき、我々は、
それが、古い東洋思想の復活であることに気がつきます。
「中道」の思想
「中庸」の思想
そして、同時に、我々は、
この「カオスの縁」の理論が、
古い西洋哲学の復活であることにも、気がつくのです。
「矛盾」の哲学
ドイツの哲学者、ゲオルク・ヘーゲルの語った「弁証法」。
「生命」の本質は、
「混沌」と「秩序」の矛盾の狭間に、ある。
いま、現代科学の最も新しい領域において、
古い東洋思想と、古い西洋哲学が、復活しつつある。
そのことを思うとき、ヘーゲルの弁証法が語る
もう一つの法則が、心に浮かびます。
事物の「螺旋的発展」
古く懐かしいものが、新たな次元で復活してくる。
もし、それが真実であるならば、
21世紀、「生命論」の思想もまた、
壮大な「螺旋的発展」を遂げていくのでしょう。
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