大成する経営者
最近、多くの企業や組織において、
部下や社員が不祥事を起こし、
メディアの前で頭を下げる
経営者の姿が、目につきます。
そうした姿を見るたびに、
思い起こす言葉があります。
経営者として大成するのは、
悪いことができて、
悪いことをしない人物である。
この言葉を初めて知ったとき、
素朴な問いが、心に浮かびました。
なぜ、経営者は、
悪いことができなければならないのか。
しかし、永い歳月を歩み、
この言葉の意味を、知りました。
人間であるかぎり、
誰の心の中にも、エゴがある。
そして、そのエゴは、
ときに、極めて狡猾な動きをし、
ときに、極めて破壊的な働きをする。
人間の心の持つ「光の世界」だけでなく、
その「陰の世界」を知ることがなければ、
人間が集まる場を、治めることはできない。
この言葉は、そのことを教えていたのです。
そして、その「陰の世界」を知るために為すべきは、
「悪人」と呼ばれる他者の心を観察することではない。
自己の心の奥深く。
その世界を見つめる力こそ
求められるのでしょう。
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