

意味のある「ゆらぎ」
 進化の未来は予測できません。
 システムの中のわずかな「ゆらぎ」が、
 進化の未来を決定してしまうからです。
 この言葉は、ノーベル賞科学者のイリヤ・プリゴジン博士が、
 『生命論パラダイムの時代』という本の中で語ったものです。
 そして、同じ時期に、アルビン・トフラーが、
 『戦争と平和』という著書の中で、次の言葉を語っています。
 些細な原因が、巨大な結果を引き起こすこともあるのだ。
 遠い国で起きた些細な戦争が、
 予測しがたい出来事に何度もぶつかっていくうちに、
 雪だるま式に大きくなり、
 しまいには大戦争に発展することだって考えられるのである。
 世界システムは「プリゴジン的性格」を帯びつつある。
 このトフラーの「予言」は、
 テロが頻発する昨今の世界情勢を見ていると、
 深刻な響きを持って伝わってきます。
 では、このような
 小さな「ゆらぎ」が、大きな「変動」を生み出す時代に、
 我々は、その「ゆらぎ」に、
 どのように処していけばよいのでしょうか。
 そのことを考えるとき、
 かつてプリゴジン博士から伺った言葉が思い起こされます。
 「意味のあるゆらぎ」を見いだすためには、
 「直観力」が求められるのです。
世界最高の科学者の語った、最も大切な言葉。
それは、「直観力」でした。
そのことを、印象深く覚えています。
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