「生命潮流」の向かう彼方
「生命」とは、何か。
かつて、バクテリアや微生物などの下等生物は、
塵や肉汁などから発生するものと
信じられていた時代があります。
「生物」は「無生物」から生まれると信じられていたのです。
しかし、こうした「迷信」の誤りを正したのが、
細菌学者のパスツール。
彼は、微生物の入っているフラスコを加熱し、
煮沸によって、微生物を殺し、
その後、長時間を経ても、
新たに微生物が生まれてこないことを証明しました。
「生命」は「無生命」からは生まれない。
その真実を、彼は、証明したのです。
しかし、実は、
「日常の世界」で正しいとされる、この真実は、
「悠久の世界」においては、真実ではありません。
なぜなら、46億年前、
この地球という惑星が誕生したとき、
この惑星は、まさに灼熱の惑星であり、
生命など、どこにも存在しなかったからです。
それにもかかわらず、
この地球という巨大なフラスコの中では、
それから10億年という悠久の歳月を経て、
たしかに、生命が発生したのです。
そのことを考えるとき、我々は、
一つの不思議に気がつきます。
この宇宙には、
「無生命」から「生命」を生み出し、
「単純な生命」を「複雑な生命」へと進化させ、
「複雑な生命」から「精神」を生み出した
「生命潮流」と呼ぶべきものが存在する。
では、この「生命潮流」は、
さらに、どこに向かっていくのか。
我々は、ときに、「日常の世界」を離れ、
その「悠久の世界」に、思いを馳せるべきなのでしょう。
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