「犬のパブロフ」
「パブロフの犬」という有名な実験があります。
パブロフ博士が、犬に餌を与えるとき、
必ずベルを鳴らしてから与えるように習慣づけると、
いつか、犬は、ベルが鳴っただけで、
よだれを垂らすようになるという実験です。
これは、人間が犬を「条件付け」して、
心理的に操作するという実験ですが、
この「パブロフの犬」の話に対して、
「犬のパブロフ」という笑い話があります。
犬に餌を与えるとき、
必ずベルを鳴らしてから与えるように習慣づけると、
いつか、犬がよだれを垂らしただけで、
パブロフ博士は、ベルを押したくなる。
その笑い話です。
しかし、実は、これは、
笑えない話なのかもしれません。
なぜなら、この話は、
我々の心に潜む「操作主義」の怖さを
教えてくれるからです。
我々は、心の奥深くに、しばしば、
他人を操りたいという願望を抱きます。
しかし、我々は、
そうして、他人を操っているつもりで、
実は、その「操作主義」の願望に、
操られてしまっているからです。
感想を送る
皆さんからのメッセージをお待ちしています。ご意見やご感想をお寄せください。「風の便り」へのご意見や感想は、田坂広志の個人メールアドレスにお送りください。
友達に紹介する
この「風の便り」は、皆さんの友人や知人の方へも、遠慮なく送って差し上げてください。
ささやかな縁と共感の輪が広がるならば、幸いです。
風の便り 配信登録
「風の便り」の配信を希望される方は、こちらをご覧ください。