ロボットとサイボーグ
かつて、手塚治虫は、その作品において、
「鉄腕アトム」というロボットを描きました。
そこで描かれた「ロボット」とは、
最先端の科学技術によって創られた、
人間よりも優れた頭脳や能力を持つ「超人」でした。
そして、石ノ森章太郎は、その作品において、
「009」というサイボーグを描きました。
そこで描かれた「サイボーグ」とは、
頭脳や心は「人間」でありながら、
最新鋭の機械やコンピュータを使って、
その筋力や知力を飛躍的に強化した「超人」でした。
この「ロボット」と「サイボーグ」、
それは、未来社会への想像力を刺激するだけでなく、
人間存在についての、深い示唆を与えてくれます。
なぜなら、
この二つの言葉の狭間には、
我々人間にとって根源的な
一つの問いが潜んでいるからです。
人間の精神が生み出した科学技術は、
人間の精神を超えたものを生み出せるのか。
その深い問いが潜んでいるからです。
そして、我々は、
その問いの答えを、密かに予感し、
その予感の中に、不思議な安らぎを覚えるのです。
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