「フォース」が現れるとき
映画『スター・ウォーズ』のクライマックスに
隠喩に満ちたシーンがあります。
主人公の少年、ルーク・スカイウォーカーが、
悪の化身ダース・ベーダの要塞基地、デス・スターを
戦闘機で攻撃に行くシーンです。
この攻撃において、
要塞基地の心臓部に爆弾を落とすため、
ルークと仲間たちは、
最新鋭戦闘機の照準器を使い、
標的への爆撃を試みますが、
何度も、失敗します。
しかし、タイムリミットを目前にして
あと一度のチャンスに追いつめられたとき、
耳元で、師のオビ・ワン・ケノービの声が、ささやきます。
ルーク、フォースを使え。
フォースとは、人間が本来持っている不思議な力のこと。
そして、この声によって目覚めたルークは、
照準器を捨て、自らのフォースを使い、
要塞心臓部の爆撃に、見事に成功するのです。
しかし、このシーンの本当のクライマックスは、
ルークが、爆撃に成功するところではありません。
本当のクライマックスは、
ルークが、照準器を捨てるところなのでしょう。
なぜなら
何かに頼る心があるかぎり、
我々の内なるフォースは、
決して、現れてはこない。
このシーンは、
そのことを教えてくれるからです。
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