「歴史」が幕を開けるとき
すでに「過去」となりつつある、20世紀。
「戦争の世紀」と呼ばれたその時代を回顧する
ドキュメンタリー・フィルムを観ました。
そのなかで、最も心に残ったのは、第二次世界大戦。
アウシュビッツ、ゲルニカ、硫黄島、広島、長崎・・・。
それらの映像の中に映し出される
無数の人々の、極限の生。
世界中が戦いの渦に巻き込まれ、
6500万の人々が命を失った。
この戦争の記録を観るとき、
一つの問いが心に浮かびます。
あの無数の人々が、
いまの我々の姿を見るならば、
何を思うだろうか。
平和に慣れ、豊かさを当然と思い、
他者の悲惨に無感覚になっている
いまの我々の姿を見るならば、
はたして、何を思うだろうか。
そのことを考えるとき、
一つの言葉が、心に浮かんできます。
人類の「前史」
我々は、未だ、戦争と貧困に苦しむ
人類の「前史」の時代を歩んでいる。
その言葉が、心に浮かんでくるのです。
では、人類の本当の歴史は、いつ始まるのか。
それは、我々が、
一つの真実に気がついたときでしょう。
あの無数の人々の姿は、我々自身の姿である。
そのことに気づいたとき、
我々の本当の歴史が、
幕を開けるのでしょう。
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