「知識」という風船
これから到来する「知識社会」において、
「知識」を学ぶことの意味は、何か。
そのことを考えるとき、
一つの言葉を思い起こします。
「知識」とは、風船に似ている。
「知識」が増えれば増えるほど、
「未知」と接する表面も大きくなり、
「世界の謎」も増えていく。
もし、この言葉が真実であるならば、
「知識」を学ぶということは、
世界が投げかける無数の謎の前にたたずみ、
「知性」というものの奥にあるべき
謙虚さを身につけることなのでしょう。
しかし、それにもかかわらず、我々は、
知識を学べば学ぶほど、
その謙虚さを失ってしまう。
それは、なぜか。
そのことを考えるとき、
一つの言葉が、心に浮かびます。
「知識」という武器。
この言葉のごとく、
我々は、しばしば、知識というものを、
他人との競争に勝つための
武器であると考えてしまいます。
しかし、それは、
「知識資本主義時代の勝者」や
「知識社会での競争戦略」といった言葉によって、
我々が罹ってしまった、時代の病。
我々人類にとっての本当の「知識社会」は、
その病を超えたところに
到来するのでしょう。
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