Kindle版あり
イントラネットを語ることによって、経営を語る。
この本がめざしたのは、そのことです。
すなわち、この本は、
イントラネットという情報システムについて語ったものではありません。
イントラネットという情報システムを語ることによって、
これからの経営やマネジメントの進化について語ろうとしたものです。
この本は、5年前に出版したにもかかわらず、
類書の大半が書店の店頭から姿を消した後も、
多くの人々に読んで頂いている不思議な本です。
第1章 いま、なぜ「イントラネット」か?
第2章 イントラネットが生み出す情報共有の新潮流
第3章 イントラネットが変える意思決定のプロセス
第4章 イントラネットが創造する中間管理職の役割
第5章 仮想企業体への進化を加速するイントラネット
第6章 電子商業空間と融合するイントラネット
第7章 スマート・コーポレーションの創造
60代 経営者・役員
何気なく本屋で『複雑系の経営』を買って拝見し、
すっかりファンになりました。
今までの「理論」に関するとらわれが、
洗い流される思いがいたしました。
そこで、『イントラネット経営』『複雑系の知』を取り寄せて、全部拝見しました。
ノーツのスゴイ威力を体験しています。
お考えの「骨太さ」と、人に対する「やさしさ」を感じます。
私は、1941年生まれで、
年商700億円の小売業の社長をやっています。
講演がございましたら、お話をお聴きしたいと思っています。
ご参考までに社内メッセージをお送りします。
社長メッセージ。
以下、著者は言っています。
イントラネット=「情報受発信システム」+「情報共有システム」+「協働作業システム」。
イントラネット=「敏感に環境を感受する能力」+「迅速に意志を決定する能力」+「柔軟に組織を変容する能力」。
イントラネットを語ることによって、イントラネットを語ることは出来ない。
今イントラネットがブームである。
ビジネスの世界において、一つのキーワードがブームになる背景には、
必ず、経営現場のニーズがある。
イントラネットを語ることは、企業進化のビジョンを語ることであり、
企業進化のビジョンを語ることなく、イントラネットを語ることは出来ない。
経営現場を語ることによって、イントラネットを語り、
イントラネットを語ることによって、企業進化を語りたい。
私は、この著者に大変感銘を受け、深く共鳴しました。
この考え方で進んでいきたいと思っています。
私は、何回も読んで味わっています。
これは、知識の本ではなく味わう本です。
諸君にも、ぜひお薦めしたいと思いました。
会社員
本日ご講演を拝聴させていただきました。
製薬会社の研究部門に所属する者です。
イントラネット関連のテクノロジーのお話だと案内を受けていたので、
正直なところ「いまさら」と思っていたのですが、
体験に基づいた経営論、マネジャー論を伺うことができ、とても勉強になりました。
今晩は、もう一度、自身の企業人としての目標について、
じっくりと考えてみたいと思っています。
当社の情報インフラの整備はまだ遅れており、
ようやく社内メールのやりとりが、
特定の部署間の限られたパソコンのみで、できるようになった程度です。
そのため、電子メールを全く体験したことのない者がまだ多数存在し、
通信ツールとして定着させるには、まだ時間がかかりそうです。
しかし、これまでは上位職に電子メール利用を促す言葉として
「便利ですよ」程度しか言えなかった私ですが、
「部下の言葉を聞き届けるツールとして有用ですよ」
「ウィークリー・メッセージは部内の活性化に役立つかもしれませんよ」
と提案してみたいとも思っています。
本日は本当にありがとうございました。
会社員
昨日のお話の中で、最大の隘路は、やはり
「イントラネット経営が、ボランティア=自発性に支えられている」
ということだと思います。
自発性が発揮されるためには、
「従業員が人に評価されることを期待して行動する」
という依存型の人間から、
「人に役立っていることに喜びを見出す人」
という自立型の人間になる必要があるとのことでした。
その自発性は、イントラネットという道具立てを整えれば、
従業員の意識は自然に変わるというご趣旨でしたが、
現実には、そう簡単ではないということは、経験的に判っております。
この問題は、経営の問題というよりも、
寧ろ日本人の国民性に依るところが大きいと思います。
他者との比較に自己の満足の基準(ブランド信仰)をおいたり、
過程よりも結果を重んじる気風は、日本人の根底に流れるものです。
日本では、寄付を受けたものが寄付をした人にお礼をするのが常識ですが、
外国では、寄付をしたものが、礼状を書くということが常識とのこと。
つまり、人の役に立つということは、
人に感謝されることに喜びを見出すことが動機になるのではなく、
人の役に立って、自己の内的動機づけを充足させるためにするとのことです。
根本的な行動原理に違いがあります。
この両者の間には、
結果は同じであっても、その行動姿勢には大きな隔たりがあります。
人の役に立つことをするのは、自分の為であって、
それによって感謝されたり、評価を受けたりする為ではない
という基本哲学が無い限りは、
本当の意味でボランティアは成立しないと思うわけです。
日本で、いま一つボランティア活動が盛り上がらないのも、
この国民性の違いに根差しているのではないでしょうか。
この低成長の時代では、ポストが増えるわけでなく、
従来の評価=昇進=生きがいという、
従業員のモチベーションが通用しなくなっています。
田坂さんのいう「仕事の報酬は仕事だ」という考えに、
従業員を変えていかなければならないはずです。
今、必要なことは、イントラネットを導入すると同時に教育との両輪で、
社員の動機付けを変えていかなければならないと思います。
私は、このことに早く経営者が気付いてほしいと思っております。