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大学進化論
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収録内容
21世紀の大学は、いかなる進化を遂げるのか。
その問いは、もう一つの問いと一対の問い。
21世紀の知識社会は、いかなる深化を遂げるのか。
このシリーズでは、そのことをテーマとして、
全11回にわたって、次の話をしました。
第 1回 21世紀の社会が求める大学の3つの進化
第 2回 知的プロフェッショナルとは何か
第 3回 大学で教えるべき「智恵を掴む心得」
第 4回 ライフワーカー・ユニバーシティへの進化
第 5回 働くことと学ぶことの新たなスタイル
第 6回 「キャリアパス」から「ライフワーク」へ
第 7回 イノベータ・ユニバーシティへの進化
第 8回 ソーシャル・イノベーションの時代
第 9回 ソーシャル・キャピタルの5つの資本
第10回 大学のソーシャル・イノベーション戦略
第11回 「社会起業家」が輩出する大学をめざして
(2006年収録)
このシリーズの第1回、
21世紀の社会が求める大学の3つの進化
を、下記より試聴いただけます。
第1回 21世紀の社会が求める大学の3つの進化
21世紀の大学は、
いかなる大学へと進化していかなければならないのか。
そのことを考えるためには、
これからどのような社会が到来するかを、考える必要があります。
では、これから、いかなる社会が到来するのか。
大学の進化を考えるとき、深く見つめておくべきは、
次の3つの社会の到来です。
「知識社会」の到来
「高齢社会」の到来
「改革社会」の到来
そして、これら3つの社会の到来にともなって、
大学は、次の3つの機能を統合した大学へと
進化していかなければなりません。
「プロフェッショナル・ユニバーシティ」
「ライフワーカー・ユニバーシティ」
「イノベーター・ユニバーシティ」
この「大学進化論」のシリーズでは、
そのビジョンについて語ります。
そして、この第1回では、まず、
「知識社会」とは何か。
そして、その社会が求める
「プロフェッショナル・ユニバーシティ」とは何か
について話します。
第2回 知的プロフェッショナルとは何か
前回、21世紀の大学は、
「知的プロフェッショナル」と呼ばれる人材を育てる
「プロフェッショナル・ユニバーシティ」をめざすべき
と述べました。
では、「知的プロフェッショナル」とは何か。
それは、「知識労働者」(ナレッジ・ワーカー)と呼ばれる人材とは
何が違うのか。
端的に言えば、
「知識労働者」とは、文字通り「専門的な知識」を身につけ
その知識と労働力を売って仕事をする人材です。
これに対して、
「知的プロフェッショナル」とは、「専門的な知識」だけでなく、
「職業的な智恵」を身につけた人材です。
では、「職業的な智恵」とは何か。
それは、いかにすれば身につけることができるのか。
知識社会において、単なる「求められる人材」にとどまることなく、
「活躍する人材」になるためには、
まず、そのことを理解する必要があります。
この第2回では、そのことについて話します。
第3回 大学で教えるべき「智恵を掴む心得」
大学進化の第一のビジョンは「プロフェッショナル・ユニバーシティ」。
では、それを実現するための具体的な方法は、何か。
一つの大切な方法は、
実社会で活躍するプロフェッショナルを大学に招き、
講義を行ってもらうという方法です。
もとより、こうした方法は、すでに多くの大学が行っていますが、
実は、そのとき、極めて大切なことがあります。
学生が、実社会で活躍するプロフェッショナルから
「言葉にならない智恵」を掴むための
技術や心得を身につけているか。
それを身につけていないと、
学生は、プロフェッショナルが語る素晴らしい「智恵」を
単なる「知識」として学ぶだけに終わってしまいます。
従って、大学は、まず最初に、学生に、
プロフェッショナルの智恵を掴むための技術や心得を
教える必要があります。
しかし、そのためには、さらに大切なこと、
そして、厳しいことが、問われます。
大学の教員や職員自身が、
プロフェッショナルであるか。
この第3回では、
プロフェッショナルの智恵を掴むための技術と心得、
そして、大学の教員や職員に求められる姿勢について話します。
第4回 ライフワーカー・ユニバーシティへの進化
前回まで、プロフェッショナル・ユニバーシティへの進化を
実現するための具体的な方法として、
「実社会で活躍するプロフェッショナルが大学で教える」
という方法について述べてきました。
今回は、もう一つの方法として、その逆の方法、
「学生が実社会に出てプロフェッショナルの仕事の現場を見る」
という方法、すなわち、
「インターンシップ」という方法について述べます。
特に、大学が学生をインターンシップに送り出すとき、
いかなる「事前教育」と「事後教育」をするべきか。
そのことを述べます。
そして、大学進化の第二のビジョンとして、
「ライフワーカー・ユニバーシティ」について語ります。
いま、世の中では「キャリアアップ」という言葉が花盛りであり、
現在の大学は、学生の「キャリアパス」を支援する場になっています。
しかし、高齢社会を迎えるこの時代に、本当に大学に求められているのは、
「キャリアパス」の支援ではなく、「ライフワーク」の支援です。
では、「ライフワーク」とは、何か。
そして、「ライフワーク」の支援のために、
大学は、学生に何を教えるべきか。
この第4回では、そのことを話します。
第5回 働くことと学ぶことの新たなスタイル
大学進化の第二のビジョン、
「ライフワーカー・ユニバーシティ」が求められるのは、
「高齢社会の到来」という背景に加えて、
もう一つの背景があります。
「労働と学習の新たな関係」です。
すなわち、これまでの社会では、
大学卒業などの年齢までは「学ぶ」ことに専念し、
実社会に出てからは「働く」ことに専念していく
というスタイルが一般的でした。
しかし、これからの時代には、多くの人々が、
「学び」つつ「働き」、「働き」つつ「学ぶ」というスタイルに
変わっていきます。
そのことを象徴するのが、
例えば、学生のインターンシップ活動、
企業のコーポレート・ユニバ-シティの設置、
社会人大学院のブーム、
子供たち向けのベンチャーキッズ教育、
シニアコミュニティと大学キャンパスの結びつき、
などの様々な動きです。
では、「働くことと学ぶことの新たなスタイル」が生まれる
こうした時代に、
大学の役割は、どのように変化していくのか。
この第5回では、そのことを話します。
第6回 「キャリアパス」から「ライフワーク」へ
これまでの大学は、学生に対して
「専門知識」を教え、「専門資格」を与え、
その「キャリアパス」を支援するという
社会的役割を果たしてきました。
しかし、これからの時代の大学は、
様々な年齢、様々な階層の人々が集まり、
それぞれの職業を通じて成し遂げるべき
「ライフワーク」を見出す場となっていきます。
そのとき、人々が大学で身につけるべきは、
「専門的な知識」や「職業的な智恵」に加えて、
「志」と「使命感」
です。
大学は、その意味で、
「働き方」だけでなく、「生き方」を
深く学ぶ場となっていくでしょう。
この第6回では、そのことを話します。
第7回 イノベータ・ユニバーシティへの進化
21世紀の大学の進化、その第三のビジョンは
「イノベータ・ユニバーシティ」への進化です。
いま、国を挙げて「構造改革」に取り組む時代。
この時代に、これからの社会は、
その隅々で、様々な改革が不断に行われる
「改革社会」になっていきます。
では、この「構造改革」の時代に、
いま、最も深く問われていることは、何か。
誰が、この改革を担うのか。
そのことです。
すなわち、政府や識者が、
どれほど素晴らしい改革のビジョンや政策を語っても、
この社会の隅々で、その改革に情熱を持って取り組む人々が
無数に生まれてこないかぎり、
この社会の改革は、決して実現しないでしょう。
従って、これからの時代の大学の役割は、
この社会の変革を担う
「イノベータ」と呼ばれる人材を
思いを込めて育て、世に送り出すことです。
言葉を換えれば、
大学は、この社会の変革の中心、すなわち、
「ソーシャル・イノベーション・センター」に
なっていくのです。
この第7回では、そのことを話します。
第8回 ソーシャル・イノベーションの時代
米国のシリコンバレーにおいて、
スタンフォード大学は、
この地域の「ビジネス・イノベーション」の
中心になっています。
しかし、これからの時代、
我が国の大学は、
ただ、スタンフォード大学を模倣して
「ビジネス・イノベーション」の中心になるだけでなく、
新たな社会の要請として、
「ソーシャル・イノベーション」の中心に
なっていかなければなりません。
では、どのようにすれば、それを実現できるのか。
そのためには、
我が国の大学は、大学の周辺に、
「ソーシャル・キャピタル」を形成していく必要があります。
では、「ソーシャル・キャピタル」とは、何か。
そして、それを、いかにして形成していくか。
この第8回では、そのことを話します。
第9回 ソーシャル・キャピタルの5つの資本
大学が、「ソーシャル・イノベーション」を牽引していく
イノベーター・ユニバーシティをめざすためには、
大学の周辺に「ソーシャル・キャピタル」、
すなわち、「知識社会における社会資本」を
形成していく必要があります。
このソーシャル・キャピタルには「5つの資本」がありますが、
前回は、このうち、
(1)ナレッジ・キャピタル(知識資本)
(2)リレーション・キャピタル(関係資本)
(3)トラスト・キャピタル(信頼資本)
という3つの資本について、話しました。
5つの資本のさらに2つの資本は、
(4)ブランド・キャピタル(評判資本)
(5)カルチャー・キャピタル(文化資本)
ですが、
では、この2つの資本は、いかなる資本なのか。
そして、大学は、
この2つの資本を、いかにして形成すればよいのか。
特に、これからの「ウェブ2.0革命」の時代において、
それを形成するために、いかなる戦略を取れば良いのか。
この第9回では、そのことを話します。
第10回 大学のソーシャル・イノベーション戦略
米国のシリコンバレーにおいては、
スタンフォード大学が、
大学の周辺に豊かな「ビジネス・エコシステム」を形成し、
ビジネス・イノベーションのセンターになっています。
そうであるならば、我が国の大学は、
ただ、シリコンバレーとスタンフォード大学を模倣して、
「ビジネス・イノベーション・センター」をめざすだけでなく、
大学の進化の次なるステージ、
「ソーシャル・イノベーション・センター」をめざすべきでしょう。
では、そのために、我が国の大学は、
いかなる戦略を取るべきか。
そこにも、我が国の国情や文化を反映した
独自の戦略が求められます。
では、それは、いかなる戦略か。
「大学コンソーシアム」の戦略です。
大学が主導する「コンソーシアム」を設立し、
異業種企業、中央官庁や地方自治体、
マスメディアやアカデミアを結集することによって、
大学の周辺に、短期間に「ビジネス・エコシステム」と
「ソーシャル・キャピタル」を形成する戦略です。
この第10回では、その戦略について話します。
第11回 「社会起業家」が輩出する大学をめざして
前回まで述べてきたように
21世紀の大学が、
「ソーシャル・イノベーション」のセンターをめざすならば、
大学の周辺に、ビジネス・エコシステムを形成し、
ソーシャル・キャピタルを形成していかなければなりません。
しかし、もし、大学が、
本当に「ソーシャル・イノベーション・センター」をめざすのならば、
まず何よりも行わなければならないことが、あります。
それは、「ソーシャル・イノベータ」の育成です。
すなわち、「社会の変革に取り組む人材」の育成です。
では、これからの時代のソーシャル・イノベータとは、
いかなる人材か。
それは、「社会起業家」と呼ばれる人材です。
しかし、それは、いま欧米で活躍している
「起業家的手法を用いて社会貢献の事業を起こす人材」
という定義の「欧米型社会起業家」ではありません。
それは、「日本型社会起業家」と呼ぶべき人材です。
では、「日本型社会起業家」とは、何か。
その答えは、日本語の、あの言葉の中にあります。
「働く」(はた・らく)
日本語で「働く」とは、
「傍」(はた)を「楽」(らく)にすること。
もし、そうであるならば、
この日本という国において、「社会起業家」とは、
「働くすべての人々」のこと。
この国においては、
いかなる組織で働き、いかなる職業に就いていても、
この社会を良き社会にしようとの志と使命感を持ち、
日々の仕事を通じて社会に貢献しようと考える人材は、
誰もが「社会起業家」なのです。
そして、21世紀、我が国の大学は、
まさに、その意味における「社会起業家」、
すなわち、「日本型社会起業家」が輩出する大学を
目指していかなければなりません。
この第11回、シリーズの最終回においては、
そのことを話します。
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