「こころの生態系」が見えるとき
『こころの生態系』という本で、
臨床心理学者の河合隼雄氏と対談をしたときのことです。
人間集団を相手にしたグループ・セラピーにおいては、
その「こころの生態系」に、
どのように処するのでしょうか?
この私の質問に対して、
河合氏は、次のように答えました。
全体の「重心」という考え方をすると、
一番わかりいいんです。
重心はどこにあるかと、
ずっと考えていくんです。
人が集まっていると、
そこにどこか重心があるんですね。
そこを見ていたらいいという場所があるんです。
この河合隼雄氏の答えは、
職場の「こころの生態系」に処しているマネジャーにとっては、
深く納得できるものでしょう。
しかし、そのとき、多くのマネジャーのこころに、
もう一つの問いが、浮かびます。
では、どうやって、その重心を見出すのか?
その問いです。
もとより、この問いに、簡単な答えはないのですが、
私自身のささやかな経験が教えてくれたことがあります。
自分のこころの重心が定まること。
そのとき、不思議なことに、
こころの生態系の重心が見えてくるのです。
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