完璧主義者の隠れた才能
映画『タイタニック』で
1997年度のアカデミー賞11部門を獲得した
ジェームズ・キャメロン監督は、
「完璧主義者」として知られています。
俳優への演技指導の細やかさや
映画の編集段階でのこだわりはもとより、
舞台セットの配置や小道具の製作にいたるまで、
時間と労力を惜しむことなく
自分自身で手を出して、
納得のいく作品を創ろうとするからです。
そして、一流のプロフェッショナルは、
分野を問わず、共通の特徴として、
こうした完璧主義者としての姿を持っています。
しかし、我々は、
このような完璧主義者と評される人物を見ると、
しばしば、その才能を誤解してしまうようです。
物事の細部に徹底的にこだわる力。
それが彼らの才能であると思ってしまうのです。
しかし、そうではありません。
もし、完璧主義者と評される人物が、
本当に、すべての細部にこだわって仕事をしているならば、
その人物は、かならず健康を害してしまうでしょう。
その当然のことに気がつくとき、我々は、
完璧主義者が、
もう一つの大切な才能を持っていることを知ります。
こだわるべき細部と
こだわらなくともよい細部を
見分ける力。
それこそが、
完璧主義者の隠れた才能なのです。
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