「嫌悪感」の正体
遠い昔、ある企業に入社し、
新入社員の研修を受けたときのことです。
研修の最後に、その会社の人事部長が、
我々新人に、大切な話をしてくれました。
君たちが、職場に配属になったら、
最初に、その職場を見渡しなさい。
次に、その職場で、
自分が最も「嫌悪感」を抱く人を
見つけ出しなさい。
そして、見つけ出したら、
その人を、深く見つめなさい。
最後に、
その人を、好きになりなさい。
あれから何十年かの歳月を経て、
この人事部長の言葉を思い出すとき、
それが、深い意味を持っていたことに気がつきます。
この言葉の意味は、
「嫌いな人を、好きになりなさい」ということではなかったのです。
この言葉の意味は、
「嫌いな人を、深く見つめなさい」ということだったのです。
なぜなら、
「嫌悪感」を抱く人を深く見つめるとき、
我々は、そこに、
「自分の姿」を見るからです。
そして、そのとき、
「嫌悪感」というものの正体に、気づくからです。
「自己嫌悪」
そのことに、気づくからです。
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