インターネットという「鏡」
インターネットは、我々に、何をもたらしたのか。
そのことを考えるとき、一つの言葉が浮かびます。
「鏡」
例えば、誰もが忙しく働く職場で、
ふと上司から届くメール。
わずか三行のメッセージなのに、
深く心に染み入る言葉。
その温かい気持ちが伝わってくる。
例えば、ネットコミュニティで発される
あるメンバーの無配慮な言葉。
数多くのメンバーの前でのたった一言が、
一人のメンバーの心を、深く傷つけてしまう。
発した言葉は、もう取り消せない。
それは、おそらく「鏡」なのでしょう。
我々一人ひとりの「人間力」を
拡大して映し出す「鏡」なのでしょう。
我々が、細やかに相手の気持ちを感じ取り、
心を込めて言葉を紡ぎ出す力を持つならば、
それは、素晴らしい拡大鏡。
我々が、相手の気持ちに配慮することなく、
思いに任せて言葉を撒き散らすならば、
それは、悲しむべき拡大鏡。
インターネットによって、我々は、
曇りなく映し出された
自分自身の「人間力」を見るのでしょう。
では、なぜ、我々に、
そのような「鏡」が与えられたのか。
そのことを考えるとき、
もう一つの言葉が心に浮かびます。
「精神の成熟」
我々は、その「鏡」を見ることによって、
自身の姿を知り、
精神の成長と成熟を遂げていくのでしょう。
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