「謙虚さ」の本質
誰でも知っている諺でありながら、
長い歳月を歩んだ後、
その深い意味を知る言葉があります。
実るほど、頭を垂れる稲穂かな。
若き日に、この言葉の意味は、
素朴な人生訓であると思っていました。
人間は、学問と教養を身につけ、
社会での地位が高くなるほど、
謙虚さを身につけなければならない。
そのことを意味した人生訓であると
思っていました。
しかし、歳月を重ね、
人の心の世界の機微を学ぶにつれ、
一つの真実に気がつきます。
人間は、
謙虚になろうと思って、
謙虚になることはできない。
その真実に、気がつくのです。
そして、そのとき、
人間学の世界で語られる一つの言葉が、
重い響きを持って、聞こえてきます。
自分に自信の無い人間は、
他者に謙虚になることはできない。
「謙虚さ」とは、
自分の中に静かな自信が実ったとき、
自然に現れてくる資質なのでしょう。
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