小石の意味
フェデリコ・フェリーニ監督の名作、
『道』という映画の中に、
多くの人々の心を励まし、癒す言葉があります。
家の貧しさゆえに、
大道芸人のザンパノに身を売られた田舎娘、
ジェルソミーナ。
彼女が失意の底にあるとき、
旅の途上で巡り会ったサーカスの道化師、
イル・マットが、
路傍の小石を手に、彼女に語りかけます。
この小石だって、役に立っている。
君だって、きっと誰かの役に立っている。
この小石が無意味だというのなら、
すべてが無意味だ。
登場人物にさりげなく語らせたこの言葉。
それは、実は、フェリーニが、
この映画を通じて伝えたかった
最も深いメッセージではなかったか。
あなたの人生には、意味がある。
この言葉は、たしかに、
我々の心を、励ましてくれます。
しかし、
この道化師の言葉を深く見つめるとき、
そこには、フェリーニが伝えようとした
もう一つのメッセージが潜んでいることに
気がつきます。
この世界のすべてに、意味がある。
道化師の言葉に我々が癒されるのは、
そのメッセージを感じ取るからなのでしょう。
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