高層ビルエレベータの教訓
エドワード・デボノが、
『水平思考』という本の中で紹介している、
「発想転換」による問題解決の有名なエピソードです。
ある超高層ビルのオーナーが、
エレベータの数が足りないという問題に直面しました。
そのビルで働く人々の数に比べて
エレベータの数が少なかったため、
毎朝のラッシュアワー時に、
なかなか来ないエレベータに対して
人々の不満が溢れたのです。
そこで、高速エレベータに取り替える、
建物の外部にエレベータを設置する、
勤務時間をずらせる、など、
様々な解決策が検討されましたが、
いずれも、コストのかかる実現性の無いアイデアでした。
しかし、ある人物のアイデアが、
この問題を見事に解決しました。
それは、
エレベータのドアの横に「鏡」を置く
という解決策でした。
このアイデアを実行することによって、
人々が待ち時間を苦にすることは無くなり、
不満は解消されたのです。
このエピソードは、問題解決における、
「発想転換」の大切さを教えてくれます。
しかし、このエピソードが教えてくれる、
もう一つの大切なことを忘れてはならないでしょう。
我々は、いつも、問題解決の鍵を、
「最先端の技術」や
「革新的な制度」に求めます。
しかし、その本当の鍵は、しばしば、
「人間心理の機微」にあるのです。
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