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風の便り 第53便

「魔境」の入口

 将棋の羽生善治棋士が、
 かつて、七冠を達成した直後のテレビ出演において、
 ある若手哲学者と対談し、質問を受けました。

  羽生さんは、対局中、
  どのようなことを考えているのですか。

 羽生棋士の、その質問に対する答えは、
 静かな驚きを禁じえないものでした。

  ときおり、対局中に、
  心が、ふと
  魔境に入りそうになるのです。

 この答えに対して、
 若手哲学者は、無邪気に聞きます。

  なぜ、その魔境に入ってみないのですか。

 これに対して、羽生棋士は、
 いつもの爽やかな表情で、答えました。

  ええ、戻って来れなくなると困りますから。

 たしかに、この「魔境」とは、
 座禅などにおいて、深い瞑想状態に入るとき、
 ときおり陥ってしまう特殊な精神状態のことであり、
 決してそこに入ってはならないと教えられるものです。

 しかし、この微笑ましい対話の、
 その奥を、深く見つめるとき、
 そこに、極限の真実が潜んでいることに
 気がつきます。

  精神の営みの最も創造的なものは、
  精神が、まさに混沌へと向かう、
  その入口において、生まれる。

 そのことに、気がつくのです。

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