

日々の仕事が残すもの
 我々は、日々の仕事において、
 何を残しているのだろうか。
 そのことを考えさせられる
 ささやかな体験が、あります。
何年か前、あるタクシーに乗ったときのこと。
 そのタクシーの運転手の方は、
 目的地に着いて料金を受け取るとき、
 こちらの目を見つめ、真心を込めて、
 「有難うございました」とおっしゃったのです。
 そのとき、
 その乗り心地の良い運転と、
 気配り溢れる応対とともに、
 その運転手の方の「仕事」に対する思いが、
 深く、伝わってきました。
 この方は、日々の顧客サービスというものを、
 単なる「商品」として、提供しているのではない。
 この方は、それを、
 自身の「作品」として、心を込めて残されている。
 その思いが、
 伝わってきたのです。
たしかに、それは、
「形に残らないサービス」でした。
しかし、それは、まぎれもなく、
「心に残る作品」でした。
感想を送る
皆さんからのメッセージをお待ちしています。ご意見やご感想をお寄せください。「風の便り」へのご意見や感想は、田坂広志の個人メールアドレスにお送りください。
友達に紹介する
この「風の便り」は、皆さんの友人や知人の方へも、遠慮なく送って差し上げてください。
ささやかな縁と共感の輪が広がるならば、幸いです。
風の便り 配信登録
「風の便り」の配信を希望される方は、こちらをご覧ください。