不幸な出会い
若き日に政治の世界を志し、
代議士になり、
しかし、道半ばにして夢破れ、
早逝した青年が、
初めて選挙に出たときに残した、
次のような詩があります。
今朝、駅前の街頭で、
ビラを渡そうとした私の手を払いのけ、
目を交わすこともなく、
通り過ぎていったあなたへ。
私たちの出会いは、
不幸な出会いであったかもしれない。
けれど、
それでも、私は、
あなたと出会えて良かった。
出会えなかったよりも、
出会えて良かった。
この詩を読むとき、我々は、
一つの真実に気がつきます。
いま、この地球上に生きる何十億の人々。
それらの人々の中で、
一瞬の人生において巡り会えるのは、
一握りに過ぎない。
そして、そのことに気がつくとき、
一つの思いが、心に浮かびます。
良き出会いだけが、
出会いではない。
本当は、
すべての出会いが、
大切な意味を持っている。
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