永遠の一瞬
2003年、夏。
夜空を見上げると、
赤い星が輝いていました。
火星。
この惑星が、いつもより明るく見えたのは、
我々の地球に大接近をしたからです。
かつて、これほどの大接近をしたのは、6万年前。
それは、人類がこの地球上に現れる、遥か以前の出来事です。
そして、その地球が誕生したのが、46億年前。
この宇宙が誕生したのが、138億年前。
夜空を見上げ、無数の星々を眺め、
その悠久の時間に思いを馳せるとき、
我々の心には、いつも一つの言葉が浮かびます。
「一瞬」
この人類の歴史と地球の歴史、そして、
宇宙の歴史に比べるならば、
我々人間の生は、「一瞬」に過ぎない。
そして、我々の生における、人と人との出会いは、
その「一瞬」と「一瞬」が重なる
奇跡の「一瞬」
それは、文字通り、瞬く間に消え去っていく、
儚い出来事に他なりません。
しかし、そのことを思うとき、
我々の心には、もう一つの思いが浮かんできます。
この悠久の時間の流れの中で、
そして、この壮大な宇宙の片隅で、
一人の人間と、一人の人間が、巡り会った。
その事実は、永遠。
されば、その一瞬は、
「永遠の一瞬」
その思いが、心に浮かぶのです。
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