詩人の嘆き
現代は、言葉に「手垢」がついてしまう時代である。
ある詩人が、そう嘆いています。
現代のマスメディアは、
商業主義的な言葉の濫用の中で、
味わいのある言葉、
香りのある言葉を、
「深い思い」を持つことなく使ってしまう。
そのため、それらの大切な言葉に
「手垢」をつけてしまう。
それが、詩人の嘆きです。
では、我々は、
大切な言葉が濫用されるこの時代に
どうすればよいのか。
その問いを抱くとき、
我々の心には、一つの考えが浮かびます。
大切な言葉に「手垢」がついてしまったならば、
「手垢」のついていない、新しい言葉を創造する。
しかし、その思いが心に浮かぶ一方で、
なぜか、全く逆の思いもまた、心に浮かんでくるのです。
大切な言葉に「手垢」がついてしまったならば、
さらに深い「思い」を込め、「願い」を込め、
その言葉を、使う。
なぜなら、
「言葉の生命力」
それを深く信じるとき、
言葉は、その輝きを取り戻すからです。
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