人生においては、誰もが、家庭や職場の中で、友人や知人との間で、
良き人間関係を築きたいと願っている。
しかし、誰もが、多かれ、少なかれ、
その人間関係で、壁に突き当たり、悩みを抱えて生きている。
その原因のほとんどは、互いの心の中の「エゴ」の問題。
人間であるかぎり、誰にも「エゴ」がある。
そして、誰もが「未熟な自分」を抱えて生きている。
それゆえ、その未熟な人間と人間が出会うとき、ふとしたことで、
互いの「エゴ」がぶつかり合い、心の摩擦や葛藤が生まれてくる。
では、我々は、誰の心の中にもある、この「エゴ」というものに、
どう処すれば良いのか。
その問いに対して、世の中には、
「我欲を捨てよ」「私心を去れ」といった言葉によって
心の中の「エゴ」を捨てることを勧める宗教書や人生論がある。
しかし、我々の心の中の「エゴ」は、
それほど簡単に「捨てる」ことも、「消す」こともできない。
「捨てた」と思っても、「消した」と思っても、
心の中の「エゴ」は、一度、心の表面から姿を潜めるだけであり、
必ず、また、別なところで、その鎌首をもたげてくる。
では、その厄介な「エゴ」というものに、どう処すれば良いのか。
そのための「心の技法」は、実は、古来、二つしかない。
一つは、「エゴ」を、ただ静かに見つめること。
一つは、「エゴ」を、さらに大きく育てること。
では、それは、どのような意味か。
そのためには、具体的に、どのようにすれば良いのか。
そして、それは、どのように心の成長に繋がっていくのか。
この第20講においては、そのことを「7つの技法」として語る。
[ 特別講話 第20講 講話資料より ]
風の対話CD『職業を選ぶ心得』 第4回より (出典はこちら)
雑誌『Forbes Japan』2019年5月
『風の便り』四季 第155便
書籍『なぜ、マネジメントが壁に突き当たるのか』より
(第12講より全文公開)
河合隼雄 著『心理療法序説』についての書評
Q&A 「よくあるご質問」